現在の日本で、岡崎京子さんほど、その「不在」が大きな意味を持っている作家はいないのではないでしょうか。
その大きな影響については、有名・無名を問わず多くの方が検証をされていますので、ここでは多くを語りません。ただ、「ブリッコ」の視点から岡崎京子という作家の業績を考えた場合、実質的なデビューを果たした雑誌であり、また、ここで発表された初期の作品のいくつかが単行本未収録のままと
なっていることから、そうした作品をここで発表する価値はあるかな、と考えます。
ただし、初期の作品、特にここに紹介する「ひっばあじん倶楽部」に関しては、一種のイラストエッセイのような作品であり、絵と文章が(さらに言えば、彼女の手書き文字も含め)一体となって一つの作品になっているので、「あらすじ」を紹介することは、実質的に不可能です。
そこで、著作権には配慮しつつ、ここでは以下のような形で作品を紹介することにしました。
・当時の雑誌を雰囲気が伝わるぎりぎりの大きさまで縮小した形で掲載。
・文章は基本的に原文に忠実に収録。
・いくつかの部分で、どうしてもニュアンスが伝わらないと判断した箇所のみ作品中の手書き文字を複製しました。
私としては、この形が現状ではベターだと思うのですが、もちろん異論をお持ちの方もいらっしゃると思います。
ご意見、ご感想、ご叱責など、掲示板の方までお待ちしております。