「大学生をおおうロリコン症候群」(『潮』1982年9月号)でも取り上げられていた、早稲田大学アニメーション同好会が発行した「別冊アニコム 少女愛好家のために」。
以前このサイトで紹介した当時勃興しはじめたロリコンブームに乗って話題になるとともに非常に大きな売上を記録したとのことで、当時のサブカルチャーを語る上で伝説ともなっていましたが、先日、この「別冊アニコム 少女愛好家のために」を入手することができましたので、内容をご紹介します。
表紙はこちら。
この表紙については、いくつかの表紙紙の色違いがあるようです。
自分が入手したのは青い表紙でした。
裏表紙はこちら。
表紙・裏表紙ともにふくやまけいこ先生がイラストを担当しています(誌面では福山慶子名義)。
表紙をめくって最初に目に飛び込んでくるのが、目次とふくやまけいこ先生のイラストと、有名な檄文
「この本では14歳以下の女の子以外はいっさい「少女」と呼びません そしてこの本では「少女」しか取り上げません」
という大書。
この「別冊アニコム 少女愛好家のために」の目次は・・・
- 別冊アニコム流少女愛好学
- 二次元の少女たち
- アニメファンのロリコン気質
- 別アが選んだ三人の少女モデル
- ロリータコンプレックスに花束を
- 少女愛好から二次コンへ
- 父性愛から少女愛好へ
- 幼女の肩にさわりたい
- 女ののけぞり
- (ルポ)喫茶「かわいい女の子」
- ど根性ガエルにおけるAプロ調少女の研究
- かわいい女子小学制服 STYLE COLLECTION
- いのちの電話 相談記録
- 今、ターゲットは、タチアナ・キム
- マリー・アントワネットの花嫁引渡し式
- (アルバム)おにいさんといっしょ
- 私は正常
- 幼女・少女・大事典
- 少女ヌード写真集ほぼ完全リスト
- 早ア・美少女文庫
- 永遠の少女へ贈る
- 目覚めよ、宇宙の少女愛に
- はーでいず・ないと
- 幼女伝説(編集後記)
と、非常に充実した内容になっています。
「ど根性ガエルにおけるAプロ調少女の研究」なんて、面白い視点で、今読んでも楽しめます。
そして、この「別冊アニコム 少女愛好家のために」を編集していた「早稲田大学アニメーション同好会」のメンバーは、最終ページの編集後記にリストされています。
メインスタッフは福田昇、望月智充、田崎康博、小林和彦、寺田洋一、寺田融、となっています。
この中でも望月智充氏の名前は、聞いたことがある人が多いと思います。
現在でもアニメーターとして数多くの作品に参加している望月智充監督、その人なのです。
望月智充氏は、この同人誌の編集長的な役割を担っていたようで、多くの記事を書いています。またイラストも多数掲載されています。
その中で、「喫茶「かわいい女の子」」と題されたイラストルポをご紹介します。
また、この別冊アニコム全般にわたって多数のイラストを寄稿しているふくやまけいこ先生は、編集後記の前、最終コンテンツとして2ページの作品を寄せています。
タイトルは「はーでいず・ないと」。
70年代少女漫画の影響を受けながら、独自のリリカルな世界を築きあげています。
また、この別冊アニコムの中でも最も充実しているのが、「幼女・少女・大事典」のコンテンツ。
これは、少女をとりまく事象をあいうえお順に並べ、小事典にまとめあげているのです。
その労力たるや!
このように、様々な角度から少女を分析した少女愛好家のための同人誌「別冊アニコム 少女愛好家のために」。
これだけの内容であったら、今コミケに出しても話題になるんじゃないでしょうか。