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3集連続の企画展も今回が最終週。
今回もアポガスキーさんに同行させていただきました。
今回のテーマは「メカ編」。
展示内容は前回、前々回とかぶっているものもありました。
今回多数展示されていたのは設定資料イラスト、イメージボード類。全部で10枚程度ありました。
ただ最終決定稿はアニメ製作会社のほうにあるとのことで、ラフスケッチ的なものが多かったです。
他には
- ガラスケースの中に「赤毛のアン」?をイメージさせるスケッチ
- ジョン・ジェイクス「星海の王死すとき」を原作とした漫画:2回分(ノートに描かれたものですがペン入れまでしてありました)
- 「罪なき神の子羊よ」(リュウ1982年9月号)の原画(ほぼ全ページ)
- 「時をかける少女 華圃」イラスト(前回に引き続き)
- 「The ZERO」収録の作品「H・Tバラード」の2色原画(前回に引き続き)
- 「ESの時代」の原画(前回に引き続き)
などでした。
・・・そして最後に、中学~高校時代に描いたと思われる、鉛筆書きの女の子のイラスト。
かがみさんの原画はどれも想像以上に精緻で、そしてあまりにも繊細なものだったのですが、その小さなイラストは、他のどの作品よりも更にはかなげなものでした。
先週に引き続き、Hapworth16で開催中の「かがみあきら展」に行ってきました。
今回はいつもお世話になっているアポガスキーさんと現地で落ち合っての見学になりました。
先週の展示が「あぽ編」、そして今週は「まんが家・かがみあきら編」でした。
一部先週と同じものも展示されていましたが、切り口が異なるのでまた違う視点で見ることが出来ました。
ガラスケースの中には新しく「The ZERO」収録の作品「H・Tバラード」の2色見開きページの原画や、メジャーデビュー作「クラリスメモリー未来編」の原画などが飾られていました。
壁面にはまず「リュウ」1982年9月号「罪なき神の子羊よ」、同11月号「チャペルの日記」の原画が。このあたりの作品はカケ網を多用した画面や女の子の目の形など、どちらかというと1970年代の少女コミックの影響を強く感じさせるもので、後の「かがみあきら」タッチとは若干異なる画風に感じられます。また、少し離れた場所ではほぼ最初期、1981年の「山田栄子」名義の「ESの時代」の原画もあったのですが、その1コマ目の宇宙船が驚くほど細部まで書き込まれていて、そのハードで重厚なタッチもまた、「かがみあきら」の完成された画風とは若干異なる印象を受けます。
先週の展示のレポでも少し書きましたが、氏の作画テクニックは、1983年後半~84年以降急激にクオリティがあがっているのですが、それとともに画風も変化していきます。そのことについては「Comic新現実」で出渕裕氏も述懐しているので、引用してみます。
まんがを描き始めてから、彼の描くメカはリアル系というかシャープなラインから離れてったんです。
細かいデザインよりは、自分が目指すまんがとしての雰囲気を重視するようになったんです。メカのデザイナーとしてはある意味後退しちゃったんですよ(笑)
もともと彼は少女まんがに傾倒している所があったんです。萩尾望都さんとか松苗あけみさんとかは大好きだったし。実際に彼の描くキャラクターに関しては、陸奥A子さんとか田渕由美子さん達りぼん系の人達の影響や、宮崎駿さんのテイストを参考にした跡が見られます。そんなキャラと同じ画面に並べた時に、メカニックも必然的に曲線が主体のデフォルメがきいた、リアリズムよりはキャラクター性が強い優しいラインに落ち着いていきましたね。
「Comic新現実」Vol.3 330Pより
出渕氏の言葉にあるように、かがみあきらという稀代の作家は、全く異なる2つの資質をもっていて、(それが「あぽ」という別名義を生み出すことにもなったわけですが)その2つの資質をどう融合させるのか、ということに心を砕いたと思われます。その「最初の」完成形が1983年中盤以降怒涛のように描かれた作品、そして現在まで続く「メカと美少女」の物語として表れてきた・・・。
これらは既に色々な場所で言われてきたことですが、こうして原画を直に見てみると、その過程がとてもよくわかるのです。
そして、「メカと美少女」、更にパラレルワールド、ジュヴナイル・・・といった「かがみあきら」ワールドを全てつめこんだ作品となるはずだったのが「漫画ブリッコ」1983年9月号に掲載された「時をかける少女 華圃」を主人公とした物語で、展示されていたそのカラー原画に添えられたキャプションには、実は氏が存命ならば少年キャプテンの創刊時にこの作品を連載する予定だったということが書かれていました。
他に展示されていたのは「トライアングルラブソング」カラー原画や「ワインカラー物語」の原画、「オーツカ某F・C同人誌」(!)のイラストエッセイなど、今回もバラエティに富んだものでした。
アポガスキーさんは用意周到に単行本をほとんど全部持ってきていて、原画と単行本のイラストを見比べさせていただいたりしました。自分はそういう準備が下手で・・助かりました。
このあと、場所を変えてアポガスキーさんとかがみあきら談義をさせていただきました。
自分の「にわか」ぶりがすっかりバレてしまった感がありましたが、いろいろ興味深いお話がきけて、こちらは有意義な時間を過ごさせていただきました。改めて御礼申し上げます。
報告が大変遅くなってしまって申し訳ありませんでしたが、
10月1日に吉祥寺のギャラリー「hapworth16」で開かれている「かがみあきら展」に行ってきました。
場所は吉祥寺の「中道通り」を行ったところにあります。「アニメイト」のある道、といえばわかる方はわかるかも。
5分ほど行くと地下がレストランになった古いビルがあります。そこの301号室です。

小さな標識は一応ビルの壁に貼ってありますが、立て看板のようなものはないので、注意して歩かないとわからないかもしれません。

今回の「かがみあきら展」ですが、第1週=10/1・2、第2週=10/8・9、第3週=10/15・16の各週ごとに展示内容が入れ替わるとのことです。
第1週目は「あぽ編」となっていました。
入ってすぐのガラスケース内にはかがみ氏が残された手帳や絵コンテ、萩尾望都さんの漫画(「11人」?)模写やラフスケッチなどが並べられていました。
展示されていた原画は、「ワインカラー物語」のカラー原稿5枚、「漫画ブリッコ」表紙イラスト6枚(ただし、うち1枚は「ブリッコ」表紙ではなく、「鏡の国のリトル」裏表紙と思われる)、他に作品の一部やイラスト、「ワインカラー」単行本用書き下ろし4色原稿など、でした。
氏の生原画に触れるのは初めてでしたが、やはり印刷されたイラストとは比べ物にならないほど美しいです。
特に「ブリッコ」表紙は、誌面では派手な色の背景がついていたりキャプションがついていたりしていますが(雑誌の表紙という性格上やむをないのですが)、原画は全て白い用紙にセピア色のインクで丁寧に描かれた描線、ピンクの淡い彩色・・・と、イメージよりもずっと繊細ではかなげな印象でした。
また、「ブリッコ」表紙をはじめて飾った1983年11月号のイラストの女の子は髪型に大幅な修正が入っているのですが、それ以降はほとんどホワイトが入っていない。描線も流麗になってきていて、まさに「波に乗りはじめている」感じがよく現れていました。
一方「ワインカラー物語」のカラー原稿ですが、やはり20年を経てかなりの経年劣化が進んでいます。
ふきだしの写植は剥がれ落ち、おそらく蛍光ペンで塗ったと思われる一部の彩色は退色が進んでいます。こればかりはどうしようもないのかもしれませんが・・・。
今回の展覧会では、ポストカードの販売もしています。
価格は1枚150円。8枚セットで1,000円です。
今回の「あぽ編」に含まれないイラストがほとんどのため、スタッフの方に「このポストカードの図柄の原画は今後展示されるのですか?」と訊いたところ、「必ず展示されるとは限らない」とのことでした。

こちらはカラーイラストのもの。

こちらが白黒のポストカードです。
当日、ギャラリーに行く途中にTV局のカメラスタッフを引き連れた竹熊健太郎さんとすれ違いました。
おそらく↓のイベントに関連した取材だったのではないかと思います。
http://www.kichifes.jp/wonderland/
10/9には竹熊氏が中心となって「第2回吉祥寺アマチュアアニメーション映画祭」が開催されるので、「かがみあきら展」とあわせて見学していこうかと思っています。
かがみあきら展(2005年10月第1週~第3週土日限定)
10月第1週~第3週の土日限定開催。週替りで展示イラストは変わります(営業時間/PM12:00~18:00/絵ハガキの販売を予定)
ということです。
Hapworth16 - かがみあきら展(2005年10月第1週~第3週土日限定)
吉祥寺に行かれる際にはぜひ。
Comic新現実でも紹介されていました、白倉由美さんのギャラリー"hopworth 16"ですが、オープン時に中上健次展を開催したあと、現在は次の企画に向けて準備中のようです。
山本探偵事務所(ココログ版) : Hapworth 16さんのところに訪問記が掲載されていましたので、これから行こうと思っている人は"hopworth 16"の告知と共に参照されると良いかと。
追記:Comic 新現実 Vol.6に今後の企画予定が掲載されていました。
- かがみあきら原画展
- 黒鷺死体宅配便展
- ルーシー・モノストーン展
- 吾妻ひでお展
- 江津匡士展
- 白倉由美展
などを予定しているということです。
基本的に金土日の午後0時~6時のみ開廊です。
